ネット論説媒体として有名な「現代ビジネス」からお声がけいただき、不動産関係や行政関係の記事を寄稿するようになったのは、2019年の秋でした。
まだコロナ禍になっておらず、たしかラグビーワールドカップをやってたころでしたね。でもこの年の秋、いわゆる19号台風というのが来て、北陸新幹線の車両基地が水に浸かるなど、水害が大変なことになりました。武蔵小杉のタワーマンション群も冠水。それが私の現代ビジネスデビュー作でした。
もうじき5年が経つのですが、寄稿アーカイブを作ろうと思って講談社と相談したところ、記事は今もネット上に載せ続けてくれていますので、リンクを貼ることにしました。
東日本を中心に、各地で猛威を振るった台風19号。各地の痛ましい被害が報じられるなか、高層タワーマンションが林立する駅前一帯が泥水に浸かるという、ショッキングな映像が全国に伝えられたのが神奈川県川崎市の武蔵小杉地区である。武蔵小杉は首都圏有数の「住みたいまち」の一つとして毎年ランキング上位常連の人気を誇り、不動産価格も東京23区並みに高いエリアとして知られていたが、一部のタワーマンションでは地下にある電気設備や駐車場などが浸水し、電気・水道・下水道が機能停止に陥ってしまった。
東日本を中心に、各地に猛威を振るった台風19号。痛ましい被害が報じられるなか、近代的なタワーマンションが林立する駅前一帯が泥水に浸かるというショッキングな映像が全国に伝えられたのが神奈川県川崎市の武蔵小杉である。本記事では前回に引き続き、武蔵小杉エリアの今後の浸水対策のために誰がどのように責任を負い、どのような対策を行うべきかという課題を、現実に即して考えてみたい。
台風19号の来襲に伴う一連の報道で、とにかくデメリットが印象付けられたタワーマンションだが、筆者には残念に思えてならないことがひとつある。
武蔵小杉のその後
電源喪失してエレベーターが使えなくなった、資産価値暴落だなどと当時は騒がれましたが、コロナ禍になっても、東京五輪が終わっても恐慌までは起きず、不動産価格水準は順調に上昇しています。結局武蔵小杉の資産価値は大きく毀損することはありませんでした。
ただそれは、あくまで今この瞬間のことであって、これからどうなるかを保証するものではないのですけれど。