兵庫県庁で、実名で斎藤知事のパワハラなどをアンケートで告発した人たちが、斎藤氏の再選によって自分たちが報復されるのではないかと戦々恐々としている、などというネット記事を見かけます。私としては、震えていてもしょうがないので、きっちり身を守る努力をするしかないと思っていますが、まず、これまでの状況を整理してみる必要があると思いますね。
兵庫県の出直し知事選で再選された斎藤元彦氏(47)。県議会の全会一致の不信任決議を受けて失職した後の大復活劇に支持者は歓喜に沸くが、まさかの返り咲きに複雑な思いを抱くのが県職員だ。斎藤氏の失職前に県議会特別調査委員会(百条委)が行なったアンケートに、斎藤氏のパワハラやおねだりに関する“告発”を続々と寄せたからだ。斎藤氏は県職員との関係を正常化できるだろうか。
すべては程度の問題
そもそも、この夏に話題になっていたパワハラやおねだりというのは、たとえそういう行為が実際あったとしても、それが本当に不適切であるかは、正直に言えば程度問題ではないでしょうか。拙稿を読んでみてください。
兵庫県の斎藤知事(執筆当時)による、県庁職員へのパワハラ、「おねだり体質」、さらには阪神タイガース優勝パレードをめぐる寄付金問題などを併せて大きな話題になっているのだが、これまで、地方自治体トップ(首長)のパワハラ問題というのはそれなりの頻度で発生している。実は今年だけでも、3月には岐阜県岐南町長が、5月には愛知県東郷町長がそれぞれ辞職しているし、兵庫県ほどに大きなニュースになってはいないものの、秋田県鹿角市でも市長のパワハラ問題が報じられている。
兵庫県の斎藤知事(執筆当時)による、県庁職員へのパワハラ、「おねだり体質」、さらには阪神タイガース優勝パレードをめぐる寄付金問題などを併せて大きな話題になっているのだが、これまで、地方自治体トップ(首長)のパワハラ問題というのはそれなりの頻度で発生している。実は今年だけでも、3月には岐阜県岐南町長が、5月には愛知県東郷町長がそれぞれ辞職しているし、兵庫県ほどに大きなニュースになってはいないものの、秋田県鹿角市でも市長のパワハラ問題が報じられている。
名産品のアピールの広告塔として、地元で知名度のある知事を活用すること自体は普通にありですし、上司なのだから部下の至らないところは叱咤するのも当然あることです。結局、やり過ぎがダメなのであって、そこは常識で判断するしかないのです。
分かりやすい話で言えば、報道機関の記者だって、民間企業を取材する中で、本来有料で提供されるべきサービスを無料で体験させてもらうことなんてザラにあります。企業からしたら広告費を掛けずに宣伝できるのだから安いものであり、記者側から利益提供の要求(おねだり)をしたらダメ(→報道機関としての中立性を奪われる癒着行為)という線引きはあるはずです。それと似たようなものじゃないですかね。
この手の話は、当然に尾ひれがつく可能性があります。これまでに起きたことが問題のあるレベルのパワハラだったのか、おねだりだったのかは、残念ながら選挙も終わった今、もはや問題にしにくいと考えるべきで、これから起きることを議論したほうが建設的でしょう。
これから職員はどう身を守ればいいか
今後、斎藤知事と接する部下たちは、身を守るために毎回徹底して、知事の言動を記録すればよいのです。ひと昔前の話題のドラマ「半澤直樹」のように、とにかく録音しまくるんでしょうね。
ヤバいと思ったらそれをリークできるようにすることで、保険をかけるわけです。
いや、知事が、先手を打って、職員に録音録画を禁じる、リークしたら守秘義務違反だといってきたらどうするのかって思いますか?
いやそれはどうみても自殺行為なわけです。録音されたら困ることをしてるんでしょ、って畳みかければいい。
それをするのは職員個人ではありません。職員組合が体張らなきゃ、、、。
斎藤知事を選んだ有権者とは全面戦争になるようにも思えますが、今回ばかりは有権者も雰囲気にほだされて投票しちゃった節があります。まさに民主主義のバグが起きてしまったのです。
「バグ」という言葉がある。もともとは虫を意味する英語だが、のちに機械の異常停止や誤動作を生むコンピュータプログラムの誤りのことを意味するようになった。さらに最近では、入社2年目より1年目の新入社員の月給が高いことをもって「初任給がバグ」だと言われるなど、ある仕組みに矛盾や誤りがある状態のことも指すようになっている。そんな「バグ」が、私たちの社会生活の基盤であるはずの民主主義(選挙)に生じ得るとしたら、みなさんはどう思うだろうか。