ご当地駅メロの終焉。手のひら返し?に無力な自治体

別に、平原綾香が好きだというわけでもないのですが、

来たる3月のダイヤ改正以降のJR南武線ワンマン運転化に伴って、駅の発車メロディが駅ホーム備え付けのスピーカーからではなく、車両についているスピーカーから流れるようになることに伴い、どの駅でも同じ曲が流れることになり、JR武蔵溝ノ口駅で昨年7月から南武線の発車メロディに導入されていた平原綾香の「Jupiter」もなくなる、というニュースが流れています。

同線では、ほかにも、沿線に藤子・F・不二雄ミュージアムがある関係上、登戸駅などで流れていたドラえもんやパーマンの曲も消滅する、ってことですよね。

まあ、藤子関係の曲は、もう長らく流れていたのでまあともかく、Jupiterは1年も経っていないので、税金の無駄遣い、とはいわないものの、まあ気になりますよね。ということで調べてみたら令和6年12月の川崎市議会で取り上げられているんです。

雨笠川崎市議の「JR南武線のワンマン運転実施について伺います。(中略)発車メロディーについては、各駅において思い入れのあるメロディーが流されていますが、ワンマン運転の導入により、なくなるとのことです。引き続き、発車メロディーが流される仕組みを求めていく必要があると考えますが、見解と対応を伺います。」との質問に対し、川崎市のまちづくり局長が「本市といたしましては、各駅における個別の発車メロディーの存続の可能性について、引き続きJR東日本と調整を行ってまいりたいと考えております」と答弁しています。

だから、この間、市もJRに働きかけたのだとは思いますが、ダメだったということなのでしょうね。

「Jupiter」導入時は、川崎市制100年記念ということで歌手本人を呼んで大々的にイベントまでやったんですよね。それが9カ月で廃止って、最初から期間限定だったのか、そうでないのかは気になるところ。
上記記事の中で、「武蔵溝ノ口駅でのご当地メロディー実現に携わった高津区の地域振興課では「市制100周年の事業として(ご当地メロディーは)3月末までの予定だった」としながらも、」と書かれてますが、本当にそうなら、初めから市のプレスリリースにそう書くべきでした。でも、実際には「川崎市市制 100 周年と高津区に所在する学校法人洗足学園の創立 100 周年という節目が重なったことで実現」と書いてあるだけ。

おそらく、JRの合理化方針は昨年7月時点で決まっていたと思いますが(安全策として金をかけてホームドアを導入した以上、省人化も進めたくなるのは必至)、この時点ではメロディ継続の可能性はあった(方針未調整)だからあえて期間限定と明確に書かなかった可能性はあります。

市としては、終期を予想しつつJRに働きかけ続けたものの、やってるのはJRだから最終的に引き下がらざるを得なかったのだろうという結末だと予想します。現在車掌が物理ボタンで操作しているものを、無線通信で操作するように改修すれば、できなくはないのだと思いますが、そこまでの資金は用意できないってことかなと。

さすがに、地方自治体が圧力をかけて京葉線のダイヤ改正(快速廃止)を撤回させるというのとはわけが違いますからねえ。

それにしても、タウンニュースの記事のタイトル、「さよならJupiter」を見て、小松左京の映画作品を思い出してほくそ笑む人ってどれだけいるんでしょうかね。

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