数日前に世間を賑わした、プロ野球読売巨人の現役監督(当時)、阿部慎之助氏の逮捕事案。
プロ野球・読売巨人軍の阿部慎之助監督(47)=26日に辞任=が25日夜、長女に対する暴行容疑で警視庁に現行犯逮捕された。捜査関係者らによると、当時、阿部前監督が酒に酔っているとみられる状態だったこと…
多くの人が感じていること
殴ったのではなく、突き飛ばし程度とはいえ、暴力をふるったんだから逮捕されても仕方がない、と言うのは簡単ですが、それは思考停止と言ってもいいでしょう。
普通なら、こういうシチュエーションでは(その程度のことで、ましてやこんなに社会的影響力の大きい人が)逮捕はされません。それが逮捕されてしまったのは、言葉は悪いですが「モノのはずみ」としか言いようがないのではないでしょうか。ほとんどの人がそれは感じているはず。
なかでも不可解なのは、逮捕時、妻も家にいたとされていることです。さらに、通報した娘は、父が連行されるときに泣き崩れたという本人の手紙が報道されていることです。パニックになったのかもしれませんけど、家にやってきた警察が父(夫)を現行犯逮捕する、となったとき、普通なら、逮捕しないでくれ、誤解だ、連れてかないで、って家族みんなで止めるんじゃないですかね?
いい気味だ、あるいは頭冷やしてきてって警察に差し出したってことでしょ?普通は、兄弟げんかを仲裁に入った経緯があるなら、警察は無理に逮捕するとは思えません。
娘を突き飛ばし、娘がチャッピーに質問⇒児相へ連絡⇒警察へ伝達
で、警察が緊急性高しとして現場に急行したとして、どんなに早くても突き飛ばされてから15分、いや30分は経っていたのではないかと思います。これで現行犯逮捕なんですかね、、、。阿部氏の性格からして、警察の質問に対して潔く認めちゃったのでスンナリ逮捕になっちゃった、というのが真相ではないかと。
巨人軍の監督を辞めなきゃいけないかもとか、世間にみっともないとかと考える前に、まず、目の前の父親が警察に連れてかれそうになっているときに、普段から暴力振るってたような場合ならともかく、報道されてるように、そうじゃないっていうんなら、モノのはずみで逮捕されそうになってしまったら、体張って止めるのが家族ってもんじゃないですか?
いや、止めには入ったけど、児相から通報入って警察が来た以上、一度、署で事情を聴かないといけないんだ、と警察が言ったのなら、「そもそも被害はない、逮捕はしてほしくない」といえたし、それこそ「娘の狂言だ」ということだってできたでしょう。それならおそらく任意同行で済んだはず。
そういう意味だと、もし家にいたのなら、この結末を回避しえた責任と能力が一番あったのは、どう考えても奥さんですよね、、、。
もうすでにネットでは、娘の心のケアの話が出てますけど、結果的に、子どもが親の人生を奪ってしまった事実は拭い去ることができません。軽率な行動(判断力の不足)で、一生消えない傷を負うことになってしまったのです。
もう一つの事例 東武鉄道運転士解雇事件
話は変わりますが、阿部事案を知った私は、子どもが親の人生を奪ってしまった事例約20年前の事件を思い出しました。こんな事例です。
先日、朝日の「内紛」で懲戒処分の話になりましたが、最近話題になった処分といえば、やはりこれでしょうか。 東武鉄道野田線で、運転士が泣いて座り込んだ3歳児の長男を運転室に入れたまま1駅間運行した問題で、同社は14日付で運転士を懲戒解雇処分にした。同社は「第三者を運転室に入れることは服務規定で厳しく禁じられている。多数の意見を頂いたが、十分な調査を行った上の処分だ」と解雇方針を変えなかった。同社には報道直後から2000件を超す意見が寄せられたが、大半は「厳しすぎる」との意見で、解雇を支持する意見は150件程度だった。 (平成17年11月17日付産経新聞朝刊から) マスコミにも同情論が多いようです。…
東武鉄道の電車で乗務中の運転士がいました。その電車の先頭車両に、たまたまなのか、ねらってなのか、運転士の息子(3歳)が乗っていました。しばらくして、運転席にいる父親の姿に気づいたため、先頭車両の旅客エリアと乗務員室を仕切る壁・扉をドンドン叩き泣きわめき始めたそうです。他の乗客の迷惑なのは明らかだったため、駅で停車中に運転士が乗務員室と旅客エリアを仕切る扉を開けると息子が入ってきてしまい、そのまま1駅電車を走らせたのです。それを乗客に見とがめられて、通報され、最終的には懲戒解雇された事案。まあ、その結果に世間の同情も集まりましたし、最終的には関連会社に再就職できたという情報もあります。とはいえもう約20年前の話です。
未就学児ということもあって、当然母親は横にいたんでしょ、何やってたのよ、って思いますよね。ところがwikiの解説にはとんでもないことが書いてあります。
3歳と2歳の子どもだけをホームから電車に乗せて(=見送って)母親はその駅で出場、自動車で電車を追いかけて、何駅か後の駅に入場して出迎え、子どもをピックアップした(乗務員室に入った子どもを、夫から妻が引き取った)のだと。
その行動自体が、現在の感覚なら、あり得ない放置(虐待と言われかねない)ですよね。いや、当時だってかなりまずいでしょ。確かに、子供料金を払えば子どもだけで電車に乗ることはできますけど、何といっても3歳ですからね。
夫の乗務する電車だから、いざとなったら夫が何とかしてくれる、、、?って思っていたのかしら。それならばいっそう責任重いですね。
何より、まだ記憶も残るか微妙な3歳の子どもの、まったく罪のない行動が、父親の人生を奪ってしまったこと。もっともそこには、まず妻(母)の判断ミスがあり、そして子供をなだめるためとはいえ運転室に入れてしまった夫(父)の判断ミスがあります。
当時は、社会を震撼させた重大な鉄道事故も起きており、定時運行と安全運行を天秤にかけたら、後者が最優先とされ、このケースでは、電車を発車させずに駅係員か車掌を呼んで何とかするのが、運転士に求められる「正解」だったわけです。それを破った以上、厳罰は避けられなかったのです。
それはともかく、この当時3歳の幼児は、今はもう23歳か24歳なわけで。当時、自分のしたことが結果的に父親の運転士人生を奪ってしまったことを知ったら、受ける傷は計り知れません。
本人に伝わらないよう、このことを両親や親族はみな墓場までもっていくのか。あるいはインターネット社会なので、どこかで「あれ、これって我が家のこと?」と知る日が来てしまうのか。
いずれにせよ、阿部事案と東武鉄道事案に通じることは、コンプラ重視で厳しく処断せざるを得ない今(当時)の社会世相のもとで、様々な行動がバタフライエフェクトのように生じた結末の悲哀、ただそれだけです。
みなさん、子育てって本当に大変です。







